義父の死

私にとっては、最期まで優しかったお義父さん。

数年に一度しか会えなかったけれど、会う時は

いつも優しく笑顔で接してくれた。

夫や義弟にとって彼は、大好きだけど最悪の父親。

子より女性を優先する人だったので、息子たちは

その度に犠牲になって。

そんな困った人だったけれど、最期はあっけなく

逝ってしまった。医者に診てもらうのも息子たち

に会うのも断固拒否し、彼が大好きだった家で、

静かに亡くなり、義父らしいなと感心した。

驚いたことに、遺書はとてもシンプルな内容で、

とても分かり易く。彼の希望は少しは書かれていた

けれど、あくまで子供たちの都合の良いように、と。

人を巻き込むことを好まない性格がよく反映されて

いるな、とここでも感心。

お葬式は要らない、棺もお花も要らない。

彼の希望は、散骨でした。

希望は自分の家の裏庭だけど、子供たちの都合の

良い場所で良い、とのこと。なるほど。

お義父さん、照れ屋なところが好きでした。

可愛がってくれてありがとう。

さようなら。